夢のゆめ

   いつも、夢でした、それは。
私はいつも青々と茂った森の中で、昼寝をしているのです。
空気がポカポカと暖かい、何かに守られたような空間の中で、昼寝。
現実の私も寝ているのですが、私はさらに夢の中でも睡眠をとろうとしています。
 完全に寝ているわけではありません。
だってあなたの声がとてもよく聞こえるのですから。
「今日はとても良い天気だったなぁ」
私は目を閉じてるはずなのに、あなたの表情を見ることができるのです。
どうしてでしょうか。
やはり、夢なのでルールはどこかいい加減に作られているのでしょうか。
 あなたは、こざっぱりとした短髪で、オレンジ色の髪の色をしていました。
「試合、負けたけど。俺2点入れた」
とアッサリ笑うあなたはとても可愛い、と思うのですが、実際それと口に出すと彼は至極おこるのです。ですから私はいつも心の中でとどめておくことに決めました。
目を閉じたまま私は
「スコアはどうだったの?」
と聞きました。
「・・・・・・10対3だよ、は、笑えるだろ」
ヤケという風でもなく、あなたはそういったので
「サッカーって難しいのね」
と私は返しました。
「俺らのチームがアホなだけだよ。
キヨタってゆうやつ、面白いんだ。キーパーのくせにゴールを狙ってる。だから」
「だから点を入れられるのね」
あはは!と二人で笑いあいました。
「キヨタくんを叱ればいいじゃないの」
「いいや、キヨタ、すげぇ楽しそうだもん。サッカー大好きなんだな」
「じゃあFWにしてあげれば」
「だめ。シュートの才能無いから」
どっちにしてもだめなのね、と私はおかしくなりました。
「でもさ、この前一緒に釣り行って気付いたんだけど。キヨタってね、すごくきれいなんだ、つりざおの振り方」
「・・・・マニアックなところよ、それって」
「だよなぁ。もったいないよなぁ。サッカーにはそれが応用されないし」
私は静かに目を開けて、隣に座っているあなたを横目で捉えました。
「でもね、驚いたよ。ほんとうにほんとうにキレイなんだ。 腕のしなりとか、つりざおが描くアーチなんか。
芸術作品みたい、映画みたい。」 ひたむきなあなたの瞳がとても美しい。
「あ、なんかサッカーしたくなってきた」
と彼が行ったとたん、周りの世界が白みはじめました。

『おはよ』
あなたが、隣にいました。
私は机につっぷした格好で、どうやら授業中に居眠りをやらかしていたようです。
幸い先生にも気付かれていませんでした。
気付いたのは、あなただけ。
教科書を手にして、すこしニヤニヤしながら
「おまえ、寝ながら何笑ってたの?」
と聞いてきました。
人の寝顔を観察するなんて悪趣味。
私は彼の質問に答えず、
「キヨタくんに、もっとサッカーの方を精進するように伝えといてね」
といいました。
あなたは、(きよたってだれだよ)という風にしきりにキョトンとしていました。
知っているのでしょうか、あなたは。
夢の中で私とあなたは、とてもたくさんのお話をしていることを。


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全然気に入ってない話だからそのうち消します 笑
麻央ちゃんお題ありがとうねー





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